大興寺(花巻市)概要: 萬疊山大興寺は岩手県花巻市石鳥谷町大興寺第23地割1に境内を構えている曹洞宗の寺院です。大興寺の創建は永徳元年(1381)、梅山聞本大和尚禅師が大興寺村の山中に草庵を結んだのが伝えられています。その後、領主である沢田佐五兵衛忠貞が境内地を寄進し寺院として整備されました。
室町時代の充照和尚の代には霊夢で御告げがあり土中から赤ん坊を拾い育て上げたとされ、成長すると如玄大和尚として大興寺10世となり、明応3年(1494)又は永正元年(1504)に普門寺 (岩手県陸前高田市)中興開山し、永禄3年(1560)には洞雲寺(岩手県大船渡市)を開山する名僧となっています。
中世は約400年稗貫地方を支配した稗貫氏から庇護され、寛正3年(1462)には14代当主稗貫出羽守広信が沖津で戦死すると大興寺に葬られ、稗貫武重の代には菩提寺として天文23年(1554)に寺領70石が安堵され、江戸時代に入ると盛岡藩から庇護され15石が安堵されています。
境内に建立されている土仏観世音堂には大興寺を開山した梅山聞本禅師を大難から救ったとされる聖観音像(土造、像高約14cm、別称:首継観音、身代わり観世音)が安置され御堂建築としても貴重な事から昭和54年(1979)に花巻市指定文化財に指定されています。
大興寺境内背後の墓地には稗貫武重の墓碑と伝わる宝篋印塔があり高さ1.88m、最大幅0.6mは岩手県にある宝篋印塔の中では最大規模で貴重である事から平成元年(1988)に花巻市指定文化財に指定されています。
陸中八十八カ所霊場第1番札所(札所本尊:釈迦牟尼仏・御詠歌:霊山の 釈迦のみまえに めぐりきて 萬の罪も きへうけにけり)。山号:萬疊山。宗派:曹洞宗。本尊:釈迦牟尼仏。
大興寺:上空画像
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