成島毘沙門堂(花巻市東和町)概要: 成島毘沙門堂は岩手県花巻市東和町北成島に位置している御堂建築です。成島毘沙門堂は案内板によると「 建物は寄棟造り、鉄板葺のやや大型の三間堂で廻り縁と向拝がついています。堂内にあった毘沙門天は保護のため現在は上の収蔵庫に安置され、建物だけが存在します。
毘沙門堂は中世以降真言宗の成嶋寺が管理していて、この建物は延宝元年(1673)に修理をしていますが、各部の仕上げや建築手法などから室町時代後期に建立されたものと言われています。言い伝えによると、毘沙門堂は坂上田村麻呂の建立あるいは慈覚大師草創と伝えられています。
近年まで堂内には、平安時代に造られた兜跋毘沙門天立像(国指定重要文化財)が祀られていたことから、古きからこの地域が重要な信仰の場所であったことがうかがわれます。県内に残る数少ない中世建造物であることから平成2年に国の重要文化財に指定されています。」とあります。
成島毘沙門堂に安置されていた木造兜跋毘沙門天立像(附:二鬼坐像)は10世紀末から11世紀初頭にあたる平安時代中期に制作されたと推定される古仏像で、総高4.73m、像高3.59m、ケヤキ材、一木造、現存する仏像の中では岩手県最大で、一木造の毘沙門天立像としては日本最大とされ大正9年(1910)に国指定重要文化財(彫刻)に指定されています。
木造伝吉祥天立像は平安時代初期に制作されたと推定される古仏像で、像高像高175.74cm、ケヤキ材、一木造、彩色仕上げ、大正9年(1910)に国指定重要文化財(彫刻)に指定されています。
木造伝阿弥陀如来立像は平安時代後期の承徳2年(1098)に「坂上最□縁女伴氏」が檀主となり十一面観音像として奉納したもので、像高141.0cm、ケヤキ材、一木造、制作年代が明確で当時の作風の基準として貴重な事から昭和49年(1974)に岩手県指定有形文化財(彫刻)に指定されています。
その他に、不動明王立像が昭和55年(1980)に花巻市(旧東和町)指定有形文化財(彫刻)に指定されています。
成島毘沙門堂:上空画像
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