経蔵(中尊寺)概要: 経蔵は中尊寺の境内、金色堂背後にある御堂で、当時は内部に 螺鈿八角須弥壇(国宝)が設置され本尊となる文殊五尊像(国指定重要文化財)が安置されていると同時に中尊寺の経典などが保管されていました(経蔵に保管されていたものは平成12年:2000年に建築された讃衡蔵に移されています)。中尊寺経蔵の創建は平安時代後期の保安3年(1122)、奥州藤原氏初代当主である藤原清衡とそのその妻平氏が大旦那となり造営されたもので、当時の軒札が残され、その主旨が記されています。現在の建物は平安時代の古材を使った鎌倉時代に造られたものとされ、木造平屋建て宝形造、銅板葺、桁行3間、張間3間、正面1間向拝付き、外壁は真壁造り板張り、当時の文化を伝える数少ない建物の一つで、彩色などは剥げ落ち、往時の2階建てから平屋建てにするなどの改修がされています。案内板によると「創建時の経蔵は、「供養願文」には「2階瓦葺」とある。建武4年(1337)の火災で上層部を焼失したと伝えられてきたが、古材をもって再建されたものであろう。荘厳は歳月に洗い流され、金色堂とは異なった趣がある。本尊は騎師文殊菩薩像。経棚にあった紺紙金字一切経(国宝)は、讃衡蔵に保管。」とあります。経蔵は大変貴重な事から昭和4年(1929)に国宝に指定され、現在は国指定重要文化財となっています。
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