閑董院(陸前高田市)概要: 閑董院は岩手県陸前高田市矢作町字馬越に境内を構える宥健尊師堂で、白糸の滝の上流に位置しています。創建は江戸時代初期の元和6年(1620)に付近に疫病が広がった事で、宥健法印が洞に篭もり断食請願した所21日目で息絶えましたが疫病は瞬く間に静まりました。
周囲の人達は宥健法印の徳を讃え、この地に祠を建て祀ったとされます。
現在の建物は明治23年(1890)に気仙大工だった吉沢幸作を中心に脇棟梁に金野亀次郎、菅野善右エ門、木挽は小林鶴治などがあたり、彫刻は山形県出身の高山専蔵が中心となりました。
拝殿は木造平屋建て、宝形造、銅板葺き、桁行3間、張間3間、正面1間軒唐破風向拝付き、外壁は真壁造り板張り、唐破風懸魚には鳳凰、向拝欄間、木鼻には龍の彫刻施され、拝殿にも唐獅子の木鼻や複雑な組み物で構成されています。
奥殿には花頭窓の付いた廊下(社殿建築でいう幣殿)で繋がり、奥殿は意匠的には質素ですが、六角形の宝形屋根で基壇部分を石垣で組むといった特異の構造をしています(本来、寺院建築なので、拝殿や奥殿という名称は不思議ですが案内板に則っています)。
閑董院宥健尊師堂は明治時代に建てられた御堂建築の遺構として貴重な事から平成6年(1994)に陸前高田市指定有形文化財に指定されています。
閑董院:上空画像
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-陸前高田市教育委員会
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