無量光院跡(平泉町)概要: 無量光院の跡地は岩手県西磐井郡平泉町平泉字花立地内に位置し、案内板によると「無量光院は三代藤原秀衡が建立しました。モデルは宇治の平等院鳳凰堂。鳳凰堂は、「極楽を疑うならば宇治のお寺をお参りしなさい」と子供にまで唄われました。無量光院もまた仮想の極楽浄土です。両寺院とも本尊は阿弥陀如来像。西方に極楽はあり、その主が阿弥陀如来なのです。春秋彼岸の頃、無量光院の正面に立つと西方にある金鶏山の真上に日が沈みます。入日の中に阿弥陀如来が浮かび上がる様子は、まさしく秀衡が思い描いた世の極楽浄土だったのです。」とあります。
無量光院は当時の平泉の政治の中心であった柳之御所に近接していて秀衡の持仏堂的意味合いの強い存在だったようです。平等院鳳凰堂と同様、本堂を中心に左右両側に渡廊が広がり、金鶏山と本堂を結ぶ軸線上に門や中島、橋などを配し明確な平面構成をしています。周囲は田圃に囲まれていますが、仙台藩(藩庁:仙台城)により旧跡などは保護対象となり、現在でも寺院の礎石などが残っています。
無量光院跡は極めて貴重な存在である事から昭和30年(1955)に国指定史跡、昭和54年(1797)に国指定特別史跡に指定され、平成23年(2011)に名称「平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群-」の構成資産の一つとしてユネスコの世界遺産に登録されています。
無量光院跡:上空画像
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