台温泉(花巻市)概要: 台温泉の開湯は不詳ですが古くから知られていたとされ、大同元年(806)に坂上田村麻呂が東夷東征で当地域まで戦線を広げていた際、家臣の進めで台温泉に湯治に訪れました。その際、此の地に鎮座していた温泉神社に参拝し温泉の効能によって体を癒された事を感謝し社殿を改修し仏像を安置したと伝えられています。
台温泉の名称の由来の説に田村麻呂が「体癒(たいゆ)!」と叫んだとも、アイヌ語で台は森林を指す事から森林の温泉という意味とも云われています。
その後、時代の経過により台温泉の存在は完全に消えましたが元中年間(1384〜1392年)ある猟師が煙が立ち上がるの見て村人に告げると、それを聞いた将監と称する人物が温泉であるのを悟り1人で山の中に入り滾々と湧き出る源泉を発見したそうです。これが記録に残る台温泉の開く湯で、以後、その効能から広く知られるようになりました。
江戸時代に入ると盛岡藩(藩庁:盛岡城)の知るところとなり藩内では最も早く開発され寛文年間(1661〜1672年)には3代藩主南部重信が現在のさなぶり荘付近に上御仮室を楽知館付近に下御仮室を建設し御殿医である和田玄東を伴い台温泉に湯治に訪れています。
当初は7戸のみが許されていましたが天保10年(1839)の火災により全焼し、その後は規約が解除され温泉街が形成されました。
台温泉の源泉は10数ヵ所あり主な泉質は(1)単純硫黄泉[ 効能:慢性婦人病・慢性皮膚病・きりきず・糖尿病 ](2)含硫黄 - ナトリウム - 硫酸塩・硫化物泉[ 効能:きりきず・やけど・慢性皮膚病・虚弱児童・慢性婦人病・糖尿病・高血圧症 ](3)ナトリウム - 塩化物・硫酸塩泉[ きりきず・やけど・慢性皮膚炎・虚弱児童・慢性婦人病・動脈硬化症 ]。
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