鏑八幡神社(花巻市東和町)概要: 鏑八幡神社は岩手県花巻市東和町土沢に鎮座している神社で、創建は康平年間(1052〜1063年)頃と云われています。
伝承によると、俘囚の長である安倍氏と朝廷と間で起こった前九年合戦の折、朝廷側だった源義家がこの地へ布陣、義家は戦勝祈願の為、砂を敷き鐙矢を立て八幡菩薩の御霊とした所、見事安倍氏を平定する事が出来たので神意に感謝し社殿を建立したと伝えられてます。
古くから神仏習合していましたが、明治時代初頭に発令された神仏分離令を経て明治5年(1872)に村社に列しています。
現在の鏑八幡神社本殿は江戸時代中期の正徳元年(1711)に再建したもので一間社流造、当時の神社本殿建築の遺構として貴重な事から平成元年(1989)に花巻市(旧東和町)指定有形文化財に指定されています。
神輿は本殿と同じ正徳元年(1711)に盛岡出身の大工柴田清蔵によって制作されたもので平成17年(2005)に花巻市(旧東和町)指定有形文化財に指定されています。鏑矢は平安時代に制作され、源頼義、義家父子が奉納した12本の一部と伝えられるもので、平成6年(1994)に花巻市(旧東和町)指定有形文化財に指定されています。
刀剣は鎌倉時代から江戸時代中期に制作し鏑八幡神社に奉納されたもので、脇差2振、太刀1振、薙刀1振、槍1振が平成9年(1997)に花巻市(旧東和町)指定有形文化財に指定されています。
又、鏑八幡神社の例祭で奉納される土沢神楽舞は大償神楽直系の神楽とされ、歴史は道具の中に天保、弘化など江戸時代の年号が含まれている事からそれ以前から伝わっていると考えられています。土沢神楽舞(早池峰大償流土沢神楽)は古式を伝える貴重なものとして昭和56年(1981)に岩手県指定無形民俗文化財に指定されています。
祭神:誉田別神、田心姫神、息長帯姫神、軻遇突智神、湍津姫神、大己貴神、保食神、市杵島姫神。
鏑八幡神社:上空画像
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板(由緒)-鏑八幡神社
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