松林寺地蔵堂(花巻市)概要: 松林寺は岩手県花巻市石鳥谷町に境内を構える寺院です。松林寺の創建は平安時代初期の仁寿元年(851)、染殿(文徳天皇の后・清和天皇の生母)が懐妊した際、地蔵菩薩に感謝し全国66ヵ国に子安地蔵尊を安置し、松林寺はその時の一ヶ寺として開かれたと伝えられています。
以来、松林寺は安産、子育てに御利益があるとして広く信仰されるようになり、最盛期には広大な境内を有し、末寺である南勝寺をはじめ、下ノ坊、西ノ坊、南ノ坊、北ノ坊等の坊舎が軒を連ね寺運も隆盛しました。
歴代領主から庇護され、特に江戸時代に入ると盛岡藩(藩庁:盛岡城)の藩主南部氏の保護により堂宇の造営や寺領の寄進、安堵が行われています。
天文年中(1532〜1554年)、火災により堂宇が焼失し一時衰退しましたが、2代藩主南部重直が慶安5年(1652)に堂宇を再建されて江戸時代を通して寺領30石が安堵されていました。
現在の松林寺地蔵堂は江戸時代中期の明和5年(1768)に再建されたもので、木造平屋建て、宝形造、桁行3間、張間4間、正面1間切妻向拝付き、外壁は真壁造り板張り、内部には土造地蔵尊1400体余の他、狩野休意、小野寺周徳、八重樫豊澤などの絵馬が奉納されています。
寺宝が多く「松林寺文書類94点」と「棟札類21枚」、「仏像2体」、「絵馬扁額20枚」、「小絵馬121枚」が平成12年(2000)に花巻市指定文化財(古文書・歴史資料・彫刻・絵画)に指定されています。鰐口1口が昭和39年(1964)に花巻市指定文化財(工芸品)に指定されています。
松林寺地蔵堂:上空画像
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