旧小原家煉瓦蔵(奥州市江刺区)概要: 旧小原家煉瓦蔵は明治45年(1912)頃に建築されたという煉瓦造の蔵です。煉瓦の彩色が複雑に見えるのは通常の煉瓦と焼き締め煉瓦を使用している為で、長手だけの段と小口だけの段(煉瓦の長さが異なる)を交互に積み上げているオランダ積みを採用しています。
このオランダ積みはイギリス積みなど共に土木構造物や倉庫に採用される例が多く、当時の江刺にもこの技術が伝わっていた事になります。特に東蔵の方は「西国33観音」、「坂東33観音」、「秩父34観音」、「聖観音坐像」の101体の観音像が祀られていたそうで、入り口周りと、2階の窓は在来工法である白漆喰を使用して他の蔵と格の差を付けているだけでなくデザイン的にも白と煉瓦色のコントラストが映え独特な雰囲気を持っています。
現在建物は明治時代の煉瓦蔵の遺構として貴重な事から名称「中善蔵」として平成13年(2001)に奥州市指定有形文化財に指定されています。現在、東蔵は「菊田一夫記念館」、西蔵は「おまつり伝承館」として一般公開しています。
菊田一夫記念館:上空画像
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